
FAQ(よくある質問)
よくある質問
Q.養育費を一括で支払ってもらえませんか?
「養育費を一括して支払って欲しい。」
離婚の現場ではよくある希望です。
養育費は、実務ではほとんどが分割払いです。交渉、調停でまとまらず、裁判所が審判により支払を命じる場合にも分割払いになると考えておきましょう。
相手が、交渉や調停の段階で一括支払に応じてもらえるなら、合意により一括で支払ってもらえることになります。
しかし、いくつかハードルがあります。
まず、最初のハードルは、相手が一括で支払えるだけのお金を持っているか、という点です。
お金がない人に対して、一括で支払わせるのはムリです。
次に、相手がお金を持っているとしても、一括支払を断ってくる理由として、一番多いのが「あなたが浪費してしまいそうだから」というものです。
このような主張はよくあります。離婚をする以上、相手があなたに対して、完全に信頼できないのは仕方がない面もあります。
このような主張をされたとして、感情的に怒っても解決になりません。
おそらく、養育費を一括で支払って欲しい、とあなたが考えるのも、相手が何年も毎月支払ってくれるか不安だから、というものでしょう。お互いに相手を信頼できていないわけです。
もし、相手が主張してくる理由が、本当に浪費に対する心配なのであれば、それを避ける仕組みを作れれば、一括で支払ってもらえる可能性が高まります。
浪費を避ける仕組みとして、信託制度があります。
養育費相当額を一括して第三者に信託します。受託者は、信頼できる親族でもいいですし、代理人弁護士がなることもあるでしょう。
この信託財産から毎月、養育者に対して定期給付をしたり、臨時給付を定めたりすることもできます。
このような信託制度を使った場合、養育費を支払う側が合意から何年後かに破産してしまうようなケースでも、信託財産は支払側の財産とは別物ですので、安心です。
また、毎月の定期給付となり、養育者も一気にお金を受け取ることができないため、浪費に対する不安もなくなります。