FAQ(よくある質問)
よくある質問
Q.強制認知の手続は?
強制認知についての話です。
認知は、生物学的な父親が、子供に対して、自分の子供であることを認め、戸籍上反映させる制度です。
役所に認知の届出を出す方法でおこなうのが任意認知です。
これに対して、届け出を出してくれない場合に強制的に認知させる方法が強制認知と呼ばれる方法です。
この方法では裁判を起こすことになります。
強制認知と調停
ただ、いきなり強制認知のための裁判ができるわけではなく、まず調停を起こさなければならないとされます。
調停前置主義と呼ばれます。
調停を起こした場合、通常、事実調査がされます。
そこでDNA鑑定がされ、生物学的な親子関係を判断されます。
この調停について、父親が拒絶するなどしたような場合には、調停は不成立となり、裁判を起こすことになります。
認知の訴え
調停が不成立になり、裁判を起こすのが、認知の訴えです。
認知の訴えで、原告になれるのは子や法定代理人です。
被告は父。ただ、父の死亡後3年以内に死後認知の訴えを起こす場合には、検察官を被告とします。
認知の訴えの要件としては
生物学的な父親と子供の関係・父子関係あるかどうか
子供に法律上の父親はないこと
となります。
生物学的な父親との関係について、通常はDNA鑑定をすることになります。
これができないような場合には、DNA鑑定がまだなかった時代の裁判例を参考にすることになります。
妊娠時期に父と性的な関係があったかどうか、
当時、それ以外の男性と性的な関係をもっていなかったかどうか
血液型
DNA鑑定を父親が拒絶している理由
等が参考にされるでしょう。
子供に法律上の父親がないことも要件となります。
嫡出推定等の関係で、法律上の父親がいる場合には、そちらを解消してからでないと、認知の訴えは認められないのです。
認知の効果
認知によって、男性と認知された子との間に法律上の親子関係が生じます。
その効果は子供の出生時までさかのぼります(民法第784条本文)。
これにより、母から認知した父に対しては養育費の請求ができます。
また、親子関係が生じることで、相続や扶養義務などが出てきます。
認知の記載により、男性の戸籍にはその旨の記載がされます。これにより、相続調査などで戸籍を追いかけ、過去の認知が発覚することもあります。
認知と親権者
非嫡出子の親権者は母親です。
認知によっても、自動的に父親が親権者とはなりません。
ただし、両親が話合いで決めたり、家庭裁判所に対して親権者変更の申立をした場合、認知した父親が親権者になることもありえます。
認知と承諾
認知は、子供が胎児の状態でもできます。
胎児のときに認知するには母親の承諾が必要です。
また、子が成年後に認知するには本人の承諾が必要です。
高齢になった父親が、突如、子供を認知し扶養義務を負わせるのを防ぐためです。
子の死後の認知
認知対象の子供が死亡した後は、子供に孫やひ孫などの直系卑属がいる場合に限って認知できます。
これは、孫等に相続を発生させるためです。
つまり、子が亡くなったあとでも、認知によって、孫等に自分の財産を相続させることができます。
強制認知のご相談
婚姻外での妊娠、出産、認知に関する相談も多く取り扱っています。
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