離婚・不貞のケース紹介
外国人夫との離婚裁判事例
裁判により外国人夫と離婚ができた事例
神奈川県厚木市にお住まいの女性からの相談でした。
外国人の夫と離婚したいとの相談でした。
外国人夫との離婚相談
外国人の夫と離婚したいとの相談がありました。
日本国内での手続のみを希望するとのことで、ジン法律事務所弁護士法人で妻の代理人として活動をすることとなりました。
経緯を聞く限り、交渉での解決は難しいように感じました。暴力などもあったため、家を出て、実家に帰り、別居状態での受任となりました。
外国人と結婚、出産
約22年前に結婚。
長女は成人、長男は19歳。
法改正前の事件でしたので、長男は未成年扱いでした。
夫は、外国人で、日本語の読み書きはできないものの、会話は可能でした。
妻の主張する離婚原因
妻は、複数の事情から、婚姻を継続し難い重大な事由があると主張していました。
・暴力
・暴言
・生活費を渡さない
などが主な理由でした。
夫の暴力による離婚理由
数年前から、夫は妻や子に対して、暴力を振るうようになったとのこと。
さらに、「言ってわからないなら殴って当たり前だ」という開き直りな発言を繰り返していたそうです。
このような暴力が徐々にエスカレートし、物を投げつけるだけでなく、直接殴ってくるようにも。
長男にも痣ができるほど殴ったり、家庭内でコップなどの物を投げつけてくるようになったとのこと。
暴力は、概ね飲酒時に起こるものでした。
酔って帰って来ると、暴力的になり、妻に対しても、痣ができるほどの強さで殴ってきたこともありました。
親族への暴言、脅迫による離婚理由
夫は、妻に対し、日常的に親族への暴言を繰り返していました。
妻の両親について、「生きていても仕方がない」「あの人たちは汚い人間だ」等と罵ることも。
また、子供に対しても、「気持ち悪い、人間じゃないみたい」と繰り返していたとのこと。
別居後は、LINEで「あなたたち3人の命は終わりです」「あなたたちは悪魔です」などと脅迫することもあったようです。
日本語能力の問題では済まされないレベルでの暴言とも評価されそうです。
生活費をもらえない離婚理由
お金の問題もありました。
夫は、会社経営をしていて十分な収入があるにもかかわらず、生活費を渡しませんでした。
生活費を求めると「あなたはお金のことばかり」等と、妻が金の亡者であるかのような言い方をしていたそうです。
そのようなやりとりが嫌だったため、妻は、毎月、定額の生活費を払うよう求めましたが、全く応じられず。
不足した際に、手元にある現金を手渡しでされるだけでした。
生活費が不足していると伝えても、手持ちがないと言われ現金をもらえないことも増えたことから、妻はパートの仕事を始め、子供に関する臨時出費や不足生活費の支払いなどをしてきたものです。
生活費を巡るお金の問題によって離婚という夫婦も多いです。
離婚裁判と親権者、財産分与
離婚以外に、長男が、19歳だったので、親権者を母にするよう請求しています。
長男自身も、日本で生活するのであれば、母を親権者とすることを希望していました。
また、長男の大学卒業まで月額5万円程度の養育費の支払い、財産分与の請求をしています。
離婚交渉・調停
妻は、10年前から、離婚の申し入れをしたり、親を交えての話し合い、離婚届用紙を渡すなどしていました。
しかし、夫はこれに応じませんでした。
離婚調停の依頼を受け、申立と同時に通知の翻訳文を夫に郵送しました。
すると、夫からは、離婚しない旨のメッセージが届きました。
離婚を求める旨の調停を横浜家庭裁判所小田原支部に申し立てました。
離婚は、裁判前に調停をしないといけない調停前置主義がとられています。
しかし、夫は離婚に応じないとの態度だったため、1回めの調停期日で不成立となりました。
このため、離婚裁判にまでなっています。
財産分与の対象財産
一部の保険について、内容を把握していたので、具体的な主張をしています。
保険解約返戻金については、以前の資料があったため、少なくとも一定額の解約返戻金額があり、財産分与の対象財産との主張をしています。
契約名義人ではないため解約返戻金額を正確に調べることができず、相手の協力も得られない場合には、保険証券記載の解約返戻金額をもとに算出する方法もあります。
刑事事件化
離婚調停不成立後、夫から妻に対し、暴行事件の刑事事件が発生しました。
妻から警察に被害届を出し、逮捕・勾留され、暴行罪で略式命令が出されています。
これを受けて、保護命令も出されるに至っています。
離婚裁判での本人尋問
離婚裁判の弁論期日に夫は出席し、やはり離婚はできないと争ってきました。
裁判官からの説得もありましたが、離婚自体に応じる気はないと主張し続けました。
夫に弁護士がつけば、法的に離婚を争うのは難しいと説得してもおかしくない場面でしたが、本人訴訟であり、外国人ということもあるため、見通しをいくら伝えても、離婚自体を争う態度は変わりませんでした。
そのため、判決に向けて、本人尋問を実施することとなりました。
妻、夫双方の尋問を行いました。刑事事件化しているため客観的な資料もあることから、比較的軽めの尋問を行い、結審されました。
離婚裁判の判決としては、婚姻関係の破綻を認め、離婚を認める内容でした。
夫は控訴せず判決は確定、証明書とともに離婚届を役所に提出し、戸籍にも反映されました。
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