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離婚・不貞のケース紹介

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離婚裁判事例紹介

 

離婚裁判を起こされる

厚木市にお住まいの男性からの相談でした。

別居中の配偶者から離婚裁判を起こされたので、その対応の依頼がありました。

離婚自体は問題がなく、子も成年に達しているため、親権、養育費等は争点にならないケースでした。

争点としては、慰謝料、財産分与となります。

ただし、訴状の内容を見ると、慰謝料については記載があるものの、そこまで本気の請求であるか微妙であると感じました。

実質的な争点は、財産分与のように読める訴状でした。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2021.7.30

 

財産分与・年金分割

裁判官にもよりますが、財産分与が争点となる裁判では、財産分与一覧表を作成し、双方の主張をまとめていく形式がとられることが多いです。

お互いに対象財産となる財産を記載し、それぞれの主張や価格を記載するというものです。

不動産、預金、保険、退職金、株式など複数の項目に分かれる場合には、これらについての主張をわかりやすく整理するため、整理表を準備書面等の主張書面の別紙として作成したり、この表だけを事実上作成していく方法がとられます。

財産の評価額としては、別居時基準とすることが多いですが、婚姻費用などの精算があったりすると、別の時期を基準とすることもあります。

この財産一覧表に記載してこない財産がある場合などは、求釈明で確認したり、場合によっては文書送付嘱託、提出命令などの申立も検討することになります。

預金通帳が提出された場合には、その入出金明細から不明点があれば、さらに求釈明という展開になります。

裁判の初期は、お互いが求釈明をしあって、あの財産はどうなったのか、など事実上の質問をし合うということも少なくありません。

 

 

特有財産等の主張

離婚における財産分与の制度は、夫婦が婚姻中に有していた実質上共有の財産を精算分配する制度です。

それゆえ、夫婦の一方が婚姻前から有する財産は、他方の協力がなかったことが明らかであり、特有財産とされます。

また、婚姻関係と異なるところからの財産、たとえば相続により取得したような財産も特有財産であると主張されることが多いです。


特有財産であった銀行口座に、婚姻後に入出金があったとしても、預金残高の一部は婚姻前に形成されたものであることに変わりはありません。

このような預金について、居期間中の家計費と混然一体となっていたとしても、基準時における額から、婚姻時の額を控除する方法により特有財産として処理することが可能であるとの主張を展開することも多いです。

ここから発展すると、長期間の契約をしている保険についても、同様の主張をすることが検討されます。婚姻前に契約した保険について、解約返戻金の一部のみが財産分与の対象となるべきとの主張です。

保険料払込期間のうち大部分が婚姻期間外のような場合で、解約返戻金が保険料から蓄積された貯蓄の性質を有するものであることからすれば、婚姻前に支払った保険料に対応する部分については財産分与の対象とはならないとの主張です。按分して計算するなどの主張に発展することとなるでしょう。

 

 

その他、財産分与に関する動画解説はこちら。


 

 

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